フリー哲学者ネコナガのブログ

エッセイを書いたり、いろんなアイデアを解説したり、本を紹介したりしています。

「胡散臭さ」の胡散臭さ、あるいは信頼と熟考

「胡散臭い」とは、印象、それも多くは第一印象であって、間違っても結論ではない。印象は簡単に決まる、あるいは簡単に変わるから、要するに信用できない。だから人は思考することで結論を出すのだが、つまり「胡散臭いから信用できない」などといって終わ…

二十歳と成人と大人と

今週のお題「二十歳」 二十歳になるとは、二十歳になることである。それ以上の意味はない。 成人になるのと大人になるのは、別のことである。「成人(成年した者)」は法律的に定義されるが、「大人」は文化的な概念である。したがって、何歳であろうが子ど…

音読と黙読についての覚え書き

(この記事は複数の過去記事をもとに加筆・再編集したものです) 「読む」とは、呼ぶ、に通ずるともされているが、詠むと同じく、語源的には「一つずつ追っていく」ことをさす。だから数を数えることも「よむ」であるし、「情勢をよむ」などの場合も、やはり…

縦書きと横書きについての覚え書き

(この記事は複数の過去記事をもとに加筆・再編集したものです) 「書く」とは、描くや掻くと同じく「ひっかく」の「かく」であり、他の多くの言語と同じく、語源的には「きざみつける」という行為をさす。それゆえと言うべきか、文字は今でも依然として平面…

なぜスポーツをするのか─「スポーツの秋」に寄せて

nekonaga.hatenablog.com 秋である。昨年ははてなブログの「お題」により「読書の秋」ということで書いたが、それについてはこれ以上考えても仕方がないというのもあるし、ちょうど「スポーツ」とのかかわり方に関する新ガイドラインがNATA(全米アスレティ…

いはんや「読書の秋」においてをや

今週のお題「読書の秋」 はてなブログの今週のお題が「読書の秋」ということであるが、これをみて思ったことから自由に書いてみることにする。ちなみに昨年はきちんとお題の目論見通りに書いた(『地球進化 46億年の物語』ロバート・ヘイゼン─「秋の夜長に楽…

エッセイとは何か、というエッセイ

「エッセイ」とは、今日では非常に曖昧な概念だが、近代的なそれはモンテーニュの『エセー 』"Essais"(1580年)に端を発するものである。この本は今でもよく読まれているが、最後のところに、竹馬に乗っても結局歩いているのは自分の脚であるし、玉座に登っ…

年末年始は宇宙人のことを考えよう

www.nytimes.com www.forbes.com 年末年始ということで、近年にわかに盛り上がっている「地球外知的生命」について少し考えてみたい。 地球外知的生命と言えば、少なくとも半世紀前くらいからは一般的にも興味を抱かれていたと言えるだろう。もっとも問題は…

「定義」の重要性について少々、UFOなど交えながら

「定義」というのものの重要性について、少しみてみることにしたい。ロジカルな議論の世界では当然でも、一般的にはほとんど意識されていないと言えることである。 最初に、いわゆる「UFO」に関する議論を例に挙げてみよう。例えば、「UFOは存在しない」と主…

「信じる」ということについて

「諦めなければ必ず」という言い回しがある。典型的には、立場的に上の者が下の者を鼓舞したり、仲間同士で元気づけたりする際に使われるものである。もっとも、言っている張本人がすでに諦めていて、実際上は何の効力も持たないことも多いが。 とは言え、効…

狂人・奇人・変人

「狂人」という言葉がある。一方、「奇人」もあれば「変人」もあるだろう。任意に選んだが、このように並べてみると、どうも「変人」というのが最も一般的である。実際、「変人」は最も一時的な状態に過ぎないようなニュアンスがある。明日になったら変人で…

「サルでもわかる」について

「サルでもわかる」あるいは「サルにもわかる」というのは、何かのタイトルの一部としてよく見かける言葉である。これは、意味としては「バカにもわかる」のことだと言って反対する人はまずいないだろう。 もっとも、それならサルがバカであるなどと誰が言っ…

なぜ何もないのではなく何かがあるのか

www.scientificamerican.com 「なぜ何もないのではなく何かがあるのか(why is there something rather than nothing?)」。これは、ウィキペディアにもマニアックなエントリーがあるが、昔から多くの人間を悩ませてきた、広い意味での哲学における有名な問…

「名言」とは何か─名言はなぜ誤解されるのか、あるいは名言の本当の使い方

「名言」というものがある。一般的にはこれは「偉人たちが残した」簡潔な言葉であり、時に「人生の役に立つ」とされているものである。そういった本も大量に出ているし、それだけ出るということは読んでいる人も多いのであろう。 しかし、一方で「名言とは、…

「重複表現」の問題(2)なぜ「違和感を感じる」に違和感を覚えるのか

nekonaga.hatenablog.com 「重複表現」について、前回はそれを嫌うことの妥当性についてみてみたが、今回は「なぜそれが生じるのか」も含めてもう少し真面目に考えてみることにしたい。具体的には、なぜわれわれは「頭痛が痛い」という言葉を聞くと頭が痛く…

「重複表現」の問題(1)「頭痛が痛い」は間違いなのか

「重複表現」というものがあるが、これについてとりとめもなく考えてみたい。 重複表現といえば、まず思いつくのは「頭痛が痛い」かもしれない。これは、最初の「頭痛」という言葉にすでに「痛い」という意味が入っているから、意味が二重になっている。だか…

「印象に残っている新人」

今週のお題「印象に残っている新人」 たまには、と思ってはてなブログの「今週のお題」に則って書くことにしたら、今週のお題は「印象に残っている新人」とのことである。これはどうも、書けそうもない。 なぜなら、「新人」では選択肢が多すぎるからである…

ノーベル経済学賞受賞者はなぜロバートか

本など読んでいると、「ノーベル経済学賞を受賞した○○が」みたいな記述に出くわすことは少なくないと思うが、「経済学賞にロバート多すぎではないか」と思ったことないでしょうか。 個人的には何度もそう思って、いつも放っていたのだが、何度放っておいても…

エイリアンはそんなにバカじゃないという話

映画『第9地区』を観ていて思ったのだが、別にこの作品に限る話ではないのだが、時に、地球にやってくるエイリアン(地球外生命体、宇宙人)というのはどうしてこうもひどく描かれるのであろうか。 もちろん、「フィクションだから」というのはあるだろう。…

誰がティラノサウルスを知っているのか

natgeo.nikkeibp.co.jp またTレックスがニュースになっていた。サイエンス系ニュースは定期的にチェックしているが、もはやニュースでもなんでもない感じでTレックスも定期的にあらわれる。 もちろん記事になるからには何か新しい情報があるわけだが、いつ…

英語の歴史を学ぶおもしろさ─『図説 英語史入門』中尾俊夫

中尾俊夫『図説 英語史入門』を読む。 手短に本書の特徴を挙げると、(1)さらりと通読するタイプの本ではないこと、(2)図版が多く時代背景を視覚的にイメージできるように工夫されていること、(3)随所にあるコラムで言語学の基礎知識にも触れられて…

透明人間は実現しているのか─透明化技術の類型

「透明人間」は実現しているのだろうか。これに答えるためには、何をもって「透明人間」というのかがはっきりしている必要がある。というのも、「透明人間」と呼べそうなものを実現する理論的な方法はいくつもあるからだ。実現しているものもあれば、物理法…

自動車の「社会的費用」とは─コストは当事者だけが負担するわけではない

ゴールデンウィークになるといつも考えてしまうのは、やはり交通量とそのありさまである。人だけでなく、やたらに車が増える。鉄道やバスなら乗っている人が増えるだけだが、車の場合はそれ自体が増えるから道路がすぐにいっぱいになる。ふと思いつく限りで…

なぜ本を読むのか─読書は「人生を豊かにする」ためにある

なぜ本を読むのか。理由は人によっていろいろあるだろう。大きく分けると、(1)必要に迫られて読んでいる場合と、(2)楽しくて読んでいる場合があると思われる。 (1)必要に迫られて読んでいる場合とは、仕事の関係で読んでいるとか、先生に言われて読…


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