フリー哲学者ネコナガのブログ

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なぜ人は宝くじを買うのか

 なぜ人は宝くじを買うのか。宝くじで当たるためである。宝くじ自体を持っていなければ、宝くじで当たることはない。

 

 では、なぜ宝くじで当たりたいのか。それは、大金を手にしたいからである。あるいは、「夢を買う」という人もいる。

 「夢を買う」というのは、どうやら、当たろうが当たるまいが、買って当たるかどうかを確認するプロセスが楽しいらしい。

 もっとも、それが理由なら、たまたま当たっても当選金はいらないはずである。しかしそうは言わないから、ただの嘘である。

 

 つまり、人は大金を手にしたいから宝くじを買う。しかし、大金を手にする方法は他にもあるから、これも理由にはならない。

 もちろん、大金を手にするのは簡単ではない。だから、少ない労力で大金を手にできる確率にかけていると言うことはできる。

 もっともこの場合、大金が当たる確率よりも、宝くじを買いに行く途中に交通事故で死ぬ確率の方が高いことは忘れている。

 

 あるいは、大金が当たったとしても、収支を見れば結果がよいとは限らない。そもそも、宝くじには確実に当たる方法がある。

 それは、全ての宝くじを一人で買い占めることである。そうすれば、一人で全て当選することになる。しかし、大赤字となる。

 

 買う数を増やさずに確率を上げる方法はないか。パワーのある売り場というのがあるらしい。そこで買えば、よく当たる。

 しかし、これは、よく当たると宣伝すればそこで買う人が増えるから、そこから出る当たりの数が増えているだけである。

 つまり、全体に占める割合が高くなるから当たりが出る確率も上がる。しかし、ある人が当たる確率は少しも変わっていない。

 

 あるいは、大金を手にしても、すぐ万歳とは限らない。多くの人は、突然大金を手にしても、扱い方がわからないからである。

 ありがちなのは、勢いで収入源をすべてなくしてしまったのに、一気に使い切ってしまうパターン。自己責任の重みである。

 次に聞くのは、金銭感覚が一変してしまい、人間関係でもめて、人としても変わってしまうパターン。自己責任の重みである。

 最後に、何も変わらないというパターン。何かを変えるとだめになるから、今まで通りに暮らす。なぜ宝くじを買ったのか。

 

 こうなると、宝くじを買って当たる確率よりも、それで大金を手にした人が有益に使う確率の方が低いのではないかとさえ思える。

 いずれにしても、宝くじを買うと、ほとんど必ず、何らかの意味で落胆する。つまり、人は落胆するために宝くじを買うのである。

 

運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術

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