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フリー哲学者ネコナガのブログ

人間にまつわること、哲学や科学、宗教、社会の問題、生き方のことなど書いています。基本的にエッセイです。

人間・自然・社会

何がグーグルではできないのか

You Still Need Your Brain - The New york Times https://www.nytimes.com/2017/05/19/opinion/sunday/you-still-need-your-brain.html?_r=0&referer=https://t.co/NohR6YqPgR?amp=1 なんだか仰々しいタイトルだが、ニューヨークタイムズのSunday Reviewに…

「自由」とは何か─「自由」とは何でないか

「自由」とは何か。あまりにもざっくりした問いだが、いくつかのことを整理しつつ、これについて考えてみたい。 まず言葉についてみると、日本語における「自由」は、J・S・ミルの『On Liberty』(『自由論』)の訳語として定着したものであると言ってよい…

「道徳」とは何か─倫理との違い、あるいは守るべきかについて

nekonaga.hatenablog.com 先日書いた上の記事で「善い行いをするために必要なのは共感ではなく理性である」という考え方を紹介した。しかし、倫理的であるために理性をはたらかせるべきである理由は他にもある。というより、日本社会ではそもそもまだ「共感…

進化論の誤解(2)「ヒトはサルから進化した」について

nekonaga.hatenablog.com 突然だが、来たる2月12日(今年は日曜日)が何の日かご存じだろうか。私も知らなかったのだが、海外メディアのニュースを見ていたら「Darwin Day」というのがあるらしく、これは進化論でおなじみのチャールズ・ダーウィンの業績を祝…

現代「肉食」考─肉を食べるとはどういうことか

wired.jp wired.jpに肉食に関する記事が出ていたので、これを機会に「肉食」について書いてみたい。上の記事によれば、スタートアップの「Beyond Meat」は、植物性タンパク質をベースに肉の代用品をつくる試みをしているが、味や匂いなどの面で「肉」と見分…

「人工知能」への誤解はなぜ生まれるのか─人工知能(AI)とは何か

www.itmedia.co.jp IT調査会社のガートナージャパンが、「人工知能に関するよくある誤解」10のリストを発表した(https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20161222-01.html)。「ガートナーの顧客の間で」ということだが、かなり一般的な誤解のリストにな…

サイバー空間でも自分の身は自分で守ろうという話─あるいは「ホワイトハッカー」とは何か

www.itmedia.co.jp パソコンや携帯電話といった形でコンピュータが一般に普及して、あるいはネットにあらゆる個人情報が乗り始めてからもうかなりの時間が経ったのではないかという感じだが、当初から言われている基本中の基本を未だに守っていない人があま…

なぜ「科学」はいくつかの分野に分かれているのか─どこまで科学で扱えるのか

nekonaga.hatenablog.com 先日の記事「ものすごくざっくり言うと「科学」とは何か」を踏まえる形で、科学についてもう少し書いてみたい。前回見たところによれば、理念としての「科学」の特徴は次の通りである。 自然現象を、背後にある「法則」の存在を探る…

ものすごくざっくり言うと「科学」とは何か

「科学とは何か」ということをものすごくざっくり描いてみたい。もちろんこれについて何らかの正しい答えがあるわけではないが、多くの科学者・科学哲学者が同意しているであろうという範囲においてみてみることにする。 最初に言葉を見ておくと、科学(scie…

人間以外の動物に「意識」はあるのか─動物の心がわかるか

現代社会では、特定の仕事に従事している人を除いては、人間以外の動物に目を向ける機会はあまりない。機会がないというか、必要性がないことが多い、と言ったほうがいいだろう。あるいは動物にふれていても、どこまで動物として扱っているかは別の問題であ…

「教養」とは何か─教養観のいろいろ、あるいはなぜ教養が必要なのか

「教養とは何か」。一見すると不毛な議論になりそうな問いではあるが、これについて考えられる限り考えてみたい。いくつかの議論を参照しつつ、なるべく多様な「教養」観を挙げてみることにするが、特に目新しいことを言うつもりはないので、流し読みしつつ…

なぜ自然は汚くないのか、あるいは自然は本当に美しいのか

「なぜ自然は汚くないのか」。ありていに言えば「なぜ自然は美しいのか」だが、ともかくこれについて考えてみたい。さしあたり「自然とは何か」という問題もあるが、これについては深く考えず、日本語における最も一般的な用法としての「人工物がまったく、…

借りた本に書き込みをする人は何を考えているのか(文字通りの意味で)

「借りた本に書き込みをする人は何を考えているのか」。人に本を貸して、返ってきたら書き込みがなされていて、「何を考えているんだ」と思った経験のある人はそれなりにいるだろう。あるいは、逆にあなたは「借りた本に書き込みするのが問題なのか」と思っ…

ダーウィン的思考法のすすめ─古典を読むべき本当の理由

唐突だが、ダーウィンの「思考法」について考えてみたい。ダーウィンの最も有名な業績である「進化論」については以前の記事を読んでいただくとして(ダーウィン進化論の何がすごいのか)、ここではあまり知られていない晩年の著作にふれつつ、ダーウィンの…

ダーウィン進化論の何がすごいのか─ゼロからわかるオリジナルの「進化論」

nekonaga.hatenablog.com もうすぐこのブログも始まってから一年になるが、今トータルで見てみると、アクセス数がダントツで多いのはやっぱり上の記事である(進化論の誤解)。やっぱりというのは、アクセス解析を見ていると毎月かならずこれがトップになっ…

ホッキョクグマの共食いが衝撃なら、現代人の「共食い」はどうなのかという話─「倫理的な生き方」とは何か

natgeo.nikkeibp.co.jp ホッキョクグマが共食いしている動画が撮影されたらしい。共食い自体はもともと周辺で暮らしている人の間では周知の事実だったようだが、映像は初めてとのこと。 記事では「気候変動でアザラシ等が食べられなくなったから共食いが増え…

歴史研究のおもしろさと難しさ─「フレーム理論」からわかること

nekonaga.hatenablog.com 先日イースター島史の議論について書いてみた。今回はその件を例に、タイトル通り、歴史認識について「フレーム理論」の側面から語ってみたい。簡単に言えば、こうした議論が起こること自体についての謎解きである。 最初に、根拠と…

「輪廻転生」という危険なものを信じるのはもうやめよう

最近、書店で驚いたことがある。新書コーナーに行って平積みしてある新刊を見ていたら、「輪廻」という言葉が入った本が、同時に二つもあったのである。特にそれらに限定してというわけではないが、「輪廻転生」という発想が再び市民権を得てきていることは…

「思想」とは何か─単なる「考え」とはどう違うのか、あるいは「哲学」や「宗教」との関係について

「思想」とは何か。いわゆる「考え」や「考え方」とはどう違うのか。あるいは、「思想」という言葉と関連性が深そうな「哲学」や「宗教」という概念と対比すれば、どのようなことが言えるのか。これについて考えてみたい。「思想」と呼ばれる様々なものを理…

寿命が延びた社会をどう生きるのか(3)民主主義の基本にかえろう

「寿命が延びた社会をどう生きるのか」について考えていたところだが、第三回目になってしまった。今回で終わりである。第一回では「問題を自分のこととして考えておく必要がある」ということについて、そして前回は考える上での最低限の科学的知識について…

寿命が延びた社会をどう生きるのか(2)最低限の科学的知識

「寿命が延びる」ことに関する言説について、前回は社会的な側面から少しみてみた。今回は、社会的な議論に必要不可欠な最低限の科学的知識について少しみてみたい。「科学的知識」は、今ではもはや当の科学からしても「真理」とはみなされていないが、そう…

寿命が延びた社会をどう生きるのか(1)一般的な解決策はない

「人類の寿命が延びる」ことに関する議論がかまびすしくなってきた。流行りの「人工知能」と同じく、科学的知識がない門外漢には何がなんだかわからない分野とあって、よくわからない言説をけっこうみかける。もっとも、こうした「人類」レベルで歴史を動か…

「フェミニズム」とはいったい何なのか─思想・制度・実践

「フェムニズム(feminism)」という言葉がある。しょっちゅう耳にするわけでもないが、ごくたまにしか耳にしない言葉でもない。むしろ、ますます浸透してきている言葉だと言えよう。しかし、これはいったい何を指しているのか。ひと言で説明できるものであ…

「言行一致」は本当に必要なのか─人類史における「言」の意義

「言行一致」という言葉がある。これは読んで字のごとく「言うこと」と「行うこと」が一致していることで、意味はそのままだ。現代日本でよく耳にするのは、報道などでとくに批判的に「言行不一致」という場合であろう。何となれば政治の世界は言行不一致ば…

エネルギー問題とはなにか(+エネルギー関連おすすめ本)

電気自動車が走りながら充電できる道路がイギリスで実験的に導入されるらしい。バッテリーの性能問題は電気自動車(EV)の弱点だったが、無線で充電できるようになるということだ。ワイヤレスでの送電はスマートフォンやシェーバー、電気歯ブラシなど身の回…

日本人の死生観と「死」について─儒教、仏教と民間信仰

「死」については、古来さまざまな考えがある。何が死であるのかというのは、科学で結論が出るものではない。細胞がすべて死滅した時かと言えば、一度にすべて死ぬわけではないから、その判定は確固たるものではない。心臓が止まった時かと言えば、心臓は止…

「大統領アラート」なるものについて─権力の絶えざる監視

こちらのブログで、「アンバーアラート」なるものがあることを知った。 ブログの筆者はアメリカに在住されている方のようだが、アメリカでは「未成年者の誘拐事件」が発生した際、捜査協力的な意味であらゆる端末にアラートが届くらしい。調べたところ、それ…

「常識」とは何か(2)常識には二つの意味がある

以前、「常識とは何か」という記事を書いたが、そこでの言い分は「常識のほとんどは言葉にされていない」ということであった。もっとも「常識とは何か」ということであれば、そこでは「常識なるものがある」ということを前提としている。しかし、「常識など…

人類にとって火とは何か─「火の使用」が人類史にもたらしたもの

消防車がすごいスピードで走り去ってゆくのを見かけてふと、人類と火のかかわりの長い歴史を思い描いてみる。 「火」そのものは言うまでもなく自然現象だが、「火の使用」はしばしば人類最大の発明とも言われる。要するに「いかに利用するか」ということに磨…

人工知能は人間を超えるのか─自分の問題として考えよう

人工知能系の本をけっこうみかけるようになってきた。おそらく、そろそろ広く議論されてもいいころになってきたのであろう。一般に、科学の世界の成果が広く社会に浸透するまでには50年かかると言われる。人工知能の研究が確固たる領域となってきたのは半…

言語は思考を規定するのか─言語決定論の主張いろいろ

「言語は思考を規定する」というのは、学問史上に現れては否定されるということを繰り返している、言わば「ポピュラーな議論」である。この発想自体はドイツのロマン主義にはじまるものであるそうだが、有名なのは「サピア=ウォーフの仮説」であろう。これ…

人間にとって「夢」とは何か─日常的解釈と科学的解釈

人間にとって「夢」とは何か。一般に、「夢」という言葉には二つの意味がある。これは日本語に限る話ではない。つまり、一つは「将来の夢」と言う時のような「未来のイメージ」を指すものであり、もう一つは「寝ている時にみる」ものである。 もっとも、以前…

時間は流れているのか(2)「流れていない」と考える場合

「時間は流れているのか」について考えているところであったが、前回、「時間は流れている」とする場合の類型を簡単にみた。今回は、「流れていない」と考えることもできる場合についてみてみることにする。 まず、「現在」「過去」「未来」という区分で言え…

時間は流れているのか(1)「流れている」と考える場合

時間は流れているのか。一般的には、流れているであろう。しかし、流れていないという考え方も可能であるから、これについてみてみたい。結論から言えば「時間は流れていない」と考える方が現代的には整合性がとれるのだが、とは言え「時間は流れている」と…

自動車の「社会的費用」とは─コストは当事者だけが負担するわけではない

ゴールデンウィークになるといつも考えてしまうのは、やはり交通量とそのありさまである。人だけでなく、やたらに車が増える。鉄道やバスなら乗っている人が増えるだけだが、車の場合はそれ自体が増えるから道路がすぐにいっぱいになる。ふと思いつく限りで…

義務教育と大学の役割─日本の大学で何をすべきか

大学はどこへ行くのか。 大学について考える前に、「義務教育」について考えてみたい。義務教育とは何か。 一般によく誤解されているのは、「国民には教育を受ける義務がある」というものである。しかし、これでは話が逆である。教育を受けるのは国民の権利…

進化論の誤解(1)「変化する者だけが生き残る」について

最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるのでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である。 というダーウィンの言葉があるらしい。先日とある記事を読んでいたら紹介されていて、私ははじめて知ったので気になって読み進めてみると、な…

社会化とナショナリズム─「社会化」の意味とそのはたらき

いま気づいたのだが、先日書いた上の記事の中で「社会化」という専門用語を説明なしで使ってしまっていた。このブログはなるべく日常的な言葉で書くスタイルをとっているので、「社会化」についてきちんと説明しておこうと思う。 「社会化」というのは社会学…

『イスラム・ヘイトか、風刺か―Are you CHARLIE?』とミルの『自由論』

すこし前の話になるが、フランスの週刊新聞「シャルリ・エブド」が、イスラム教の開祖ムハンマドを風刺したイラストを掲載するということがあった。ご存じの通り、その後、同紙の編集関係者は会議中に襲撃を受けた。 もちろん、報道をきいていればそこからわ…

ホッブズと自由意志の問題、それから哲学と科学の違いなど

「自由意志」という言葉がある。これは、何を指しているのであろうか。 私は今、ブログで記事を書いている。しかし、記事を書いているこのあいだに、記事を書くのではなく何か他のことをすることもできたはずである。 よく知られているように、経済学には「…

「学ぶ」とき何が起こっているのか─体験を通して知るということ

前の記事で「暗黙知」について少しふれた。一言でまとめると、「われわれは知っていることのほとんどを言語化していない」ということであった。そしてわれわれは、言語化したことがないことをいつの間にか知っていることがある。 実は、われわれが言葉で何か…

「常識」とは何か(1)常識の多くは暗黙知である

常識とは何だろうか。これを説明するのは簡単ではない。しかし、言葉にできなくとも、人は「私は常識を知っている」と思う。そして、「多くの人が常識を知っている」と知っている。そのこと自体が常識なのである。どういうことか。 一般的には、常識とは「誰…


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